松野屋

松野屋が考える、"現代の荒物"



かつて "荒物" といえば、町の荒物屋が扱う掃除用具や調理器具、買い物かごなど、暮らしの道具全般のことだった。

プラスチック製品が少なかった時代、材料の多くは竹、木、籐、ワラといった燃やせば自然に帰る天然素材や、

トタンやアルミなどの丈夫で半永久的に使える金属。

共通していたのは、使い勝手がよく頑丈なつくり、経年変化が愛着を生み、それでいて価格は手頃なこと。

高級な工芸品とも、味気ない大量生産品とも一線を画した、ちょうどいい暮らしの道具たちだった。

なかには、生活様式の変化にともない本来の用途を失ってしまったものや、

プラスチック製品や電化製品に取って代わられてしまったものもある。

しかし、その優れた機能や機能美を見直したり、現代の暮らしに即した新たな役割を見出したりすれば、

"現代の荒物" として活躍できる道具はまだまだあるはず。

その思いとともに、今日も松野屋は "現代の荒物" とその作り手を探し続けている。
4